SNSアカウントを一元管理するサービス、Hootsuiteがインターネット普及状況, SNS普及状況をまとめた分かりやすいスライド (Digital 2021 Japan)を提供しています。
そのスライドを一部抜粋し、「インターネットもSNSも世界的にはまだ普及の途上にあること」「今後5年で普及率は大幅に延びる見通し」を説明したいと思います。
結論
- インターネット利用者数とSNS利用者数はまだ半数程度
- 今後の5年で利用者数は2倍近く増加する見込み。インフォデミックに注意しよう
インターネット利用者数とSNS利用者数はまだ半数程度
最初に世界の総人口, モバイル端末の利用台数, インターネット利用者数, SNS利用者数を見ましょう。
数字を並べると以下になります。
- 世界の総人口は78.3億人
- モバイル端末の普及数は52.2億人 (総人口の66.6%)。
- インターネットの利用者数は46.6億人 (総人口の59.5%)。
- SNS利用者数は42.2億人 (総人口の53.6%)
世界の総人口に対して、モバイル端末数, インターネット利用者数, SNS利用者数はまだ半数を超えた程度ということが分かります。
地域別のインターネット普及率を見てみましょう。
数字を並べると以下になります。
- アメリカ, ヨーロッパ, 西アジアの普及率は90~74%
- 日本が位置する東アジアは68%
- 南アジアは42%
- 中央アフリカは26%
シリコンバレーがあるアメリカやIT網の整備されたヨーロッパは普及率が高いことがわかります。「スマホ脳」のようなスマートフォンの過度な利用に警鐘を鳴らす本もそのような地域から出版されます。
しかし、全世界的にみると普及は未だ限られています。アジアやアフリカインターネット普及率は100%から遠く、日本の所属する東アジアでも30%近くの人々がインターネットを使っていないことがわかります。
将来的にはアジアやアフリカを中心にインターネットの普及は更に広がり、特に中央アフリカ, 東アフリカでは75%の人々がこれからインターネットに触れることになります。
次に地域別のSNS普及率を見てみましょう。
数字を並べると以下になります。
- アメリカやヨーロッパなどインターネットが普及している地域で70%台
- 東アジアで66%
- 南アジアは31%
- アフリカは10%未満の地域もある
インターネット普及率が100%近いアメリカやヨーロッパでもSNS普及率は70%台です。30%のインターネットユーザは意図的にSNSを使わないユーザや、使い方のわからない世代かもしれません。
また、インターネット普及率が低い地域はSNS利用率も他地域と比較して低いです。このことから、インターネット普及率とSNS利用率は比例して上がっていくことがイメージできます。
今後の5年で利用者数は2倍近く増加する見込み。インフォデミックに注意しよう
各指標の2021年前年度比を見てみましょう。
数字を並べると以下です。
- 人口成長率は+1%
- モバイル端末の増加率は+1.8%
- インターネット利用者数の増加率は+7.3%
- SNS利用者数の増加率は+13.2%
モバイル端末数, インターネット利用者数, SNS利用者数の増加は世界の総人口よりも早く進んでいます。
インターネット普及率は前年度比+7%ですので、単純計算で残り40.5%を、おおよそ6年で達成される見込みです。
SNS普及に至っては残り47%が3年足らずで達成される見込みです。インターネット,SNSの拡大はあと5年で急激拡大して100%に近づくかもしれません。この5年で利用者数が2倍近く増加する計算になります。
2020年に総務省が発表した情報通信白書において、伝わる情報の量と速さを表す指数は10年前の2010年の171,418から2022年の1,499,177で9倍になりました。 (出典元はデロイト・トーマツですね。)
情報量が急激に増えて氾濫し、現実社会に影響を及ぼす現象は”インフォデミック”と呼ばれ、科学的に根拠のない情報が広く拡散しやすくなっています。
この傾向は今後のインターネット普及とSNS普及で更に大きくなります。その中で、「何が正しい情報なのか」「何が自分にとって必要な情報なのか」を自分で正しく見分ける力が大切になるでしょう。
これからの時代に求められるのは情報を集める力ではなく、集まった情報を取捨選択する力と、得た情報をもとに新しいものを生み出す考える力かもしれません。